352人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前さん、名前は?」
「ファリスト」
ギルガは右手をファーの前に出した。
「……助けてくれて感謝する、ファリスト」
「気にしなくていい」
ファリストは差し出された手を戸惑いながらも握り返す。
僕とベルフォートは訳の分からないまま顔を合わせ、二人を見つめた。
「さて、これから説明することが沢山ありそうだし、まだ残党を片付け終わってない。レグアノ、ありがとう」
ファーはドラゴンを撫でながら言った。
「ファリストのためならこのくらい朝飯前だ。いつでも呼びな」
ドラゴンはそう言うと、ボンッと音をたてて消えた。
「残党は俺の仲間が片付けているだろうよ。だから平気だ」
「仲間って、一座の人間達だね? そうか、彼らなら負けはしないだろうね。ならもう街は大丈夫か」
結局僕は何の助けにもならずに、街の謎の襲撃は終わった……。
最初のコメントを投稿しよう!