第14章―出発―

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朝になり、街ではもう復興作業が行われていた。 仮面一座の人達は個々の力を使い、街の人に協力している。 簡単な造りの家はもうすでに建ち、街の人々は暮らせるまでになっている。 仮面一座の協力もあってだろうけど、それにしても早い。 僕は一人で感心してしまっていた。 戦いで亡くなった者は、街の近くの森の中に墓を立て、そこに埋められた。 死んだ黒騎士達は鎧をはがされ、その体は墓の隣にまとめて埋められた。 生きていた者は縛り、牢に捕らえられている。 僕も街の人々の手伝いをしていた。 少しでも早くもとの街に戻って欲しいからだ。 きっと僕の願いは叶うと思う。 建物はまだみすぼらしいけど、街の人々は活気溢れているから。 またここに来るときにはもとの明るい街になっているだろう。 そんなことを思いながら僕は街の人々の手伝いを続けた。 「フェイア、こっちへおいで」 ファーが路地から僕に向かって手招きをする。 僕は手伝いをしていた男の人に謝ると、ファーのそばへ行った。 「何?」 僕は聞いた。 ファーの後ろにはギルガとミイスとメイス、そしてベルフォートが立っていた。
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