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「ギルガ! 私は行かない! 仮面一座から離れるもんか!」
「ベルフォート」
ギルガはベルフォートを睨みつける。
ベルフォートは怯み、うつむいた。
「オレも反対だ!」
メイスが叫ぶ。
「ベルフォートはオレ達の家族だろ! 家族をこんな奴らに任せられるか!」
メイスは鋭い目で僕を見た。
何故僕を見るのかは昨日の一件のせいだろう。
「確かに。ベルフォートは家族のような存在だ。小さなころから仮面一座にいるのだからな。
だからこそ……今は一座から離れなければ」
「どうして!」
メイスは怒鳴る。
「仮面一座にいるよりもあいつらといるほうが安全だ。俺達じゃいつまで守れるかわからねぇ。それに無関係な人間まで沢山巻き込んじまう。昨日のようにな。
相手は誰だろうが関係なく襲うようになってきてるし、攻撃も派手になってきてる。
あとは、ベルフォートには色んなことを学んでほしい」
ギルガは諭すようにメイスに言った。
「それでも……」
「メイス」
メイスは悔しそうな顔をするとうつむく。
そして僕達に背を向け、どこかへ行ってしまった。
「すまねぇな。見苦しいとこ見せちまって。で、ベルフォートを連れて行ってもらえるか?」
ファーはしばらく考えた。
その間ベルフォートは落ち着かない様子だった。
何か言いたげな顔でギルガのほうをチラチラ見る。
ギルガは全く気付かないようだけど。
しばらく考えたのち、ファーは決意したような顔をすると口を開いた。
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