第14章―出発―

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「ギルガ! 私は行かない! 仮面一座から離れるもんか!」 「ベルフォート」 ギルガはベルフォートを睨みつける。 ベルフォートは怯み、うつむいた。 「オレも反対だ!」 メイスが叫ぶ。 「ベルフォートはオレ達の家族だろ! 家族をこんな奴らに任せられるか!」 メイスは鋭い目で僕を見た。 何故僕を見るのかは昨日の一件のせいだろう。 「確かに。ベルフォートは家族のような存在だ。小さなころから仮面一座にいるのだからな。 だからこそ……今は一座から離れなければ」 「どうして!」 メイスは怒鳴る。 「仮面一座にいるよりもあいつらといるほうが安全だ。俺達じゃいつまで守れるかわからねぇ。それに無関係な人間まで沢山巻き込んじまう。昨日のようにな。 相手は誰だろうが関係なく襲うようになってきてるし、攻撃も派手になってきてる。 あとは、ベルフォートには色んなことを学んでほしい」 ギルガは諭すようにメイスに言った。 「それでも……」 「メイス」 メイスは悔しそうな顔をするとうつむく。 そして僕達に背を向け、どこかへ行ってしまった。 「すまねぇな。見苦しいとこ見せちまって。で、ベルフォートを連れて行ってもらえるか?」 ファーはしばらく考えた。 その間ベルフォートは落ち着かない様子だった。 何か言いたげな顔でギルガのほうをチラチラ見る。 ギルガは全く気付かないようだけど。 しばらく考えたのち、ファーは決意したような顔をすると口を開いた。
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