第15章―旅路―

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僕達があの街を出て二日。 ずっと続く一本道を三人で歩いている。 ベルフォートは男の子の格好で、ずっと黙り、一言も発さない。 ファーも全然話さない。 なんだか気まずい雰囲気だ……どうしよう……。 こういう雰囲気はすごく苦手だ。     「ファー? バルファムまであとどれくらい?」 僕は勇気を出して話しかけた。 「そうだな……あと一日くらいかな、多分」 「そっか、一日ならもうすぐだね」 「そうだね」 ……もう会話が終わった。 どうしようか……よしっ! 「ねぇねぇ、ずっと気になっていたんだけど、バルファムってどんな街?」 「魔法の街というように、魔法が日常で飛び交う街だよ」 「飛び交う? どういうこと?」 「バルファムには魔術師の学校があるんだ」 「学校なんてあるの!?」 魔術師の学校があるなんて思わなかった。 みんな師匠を持ち、こうやって旅をして修行するのかと思ってた……。 「この間、魔術師を目指す者は多いと言っただろう? 魔術師になりたい者は大抵は自ら学校に入り、魔術の基礎を学ぶんだよ」 「基礎?」 「前話したようなことだよ。 基礎を学び、魔術の才能があった生徒がようやく修行の旅に出るんだ」 「修行の旅って……一人で?」 「いや。マスターと二人でだ。マスターが生徒の中から一人を選び、自分の旅に連れて行く。そうして魔術の実戦を学び、帰ってくる。 それからその生徒の力を見て、見合った階級をもらうんだ。」 「そんな仕組みなんだ……」 結構魔術師になるのも大変なんだな。 もっと簡単だと思ってた……。
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