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僕は道の近くで薪を探す。
両手いっぱいになるくらいまで集めたので戻ろうと振り返ると、一人の子供が何かにおびえているような表情をして走っているのが見えた。
子供は後ろを振り向くと、不思議そうな顔をして立ち止まる。
すると、地面から伸びた何かが子供の足を掴んだ。
「うわぁぁぁ!」
子供は驚き、じたばたしている。
掴んだ何かが地面から出て来た。
人の形をしているが人じゃない。
顔はただ目と口のある部分に穴が開いているだけ。
体は細く、朽ちた木のようにボロボロだ。
その何かは足を持ち上げ、子供を宙吊りにする。
それを自分の顔の上に持ってきて、口を開く。
「え、え、嘘でしょ、食べられるぅぅぅぅ!」
「うん、あれはまずいよね、まずいよな」
僕は薪を投げ捨て、腰に差してある剣に手をかけ、襲っている何かに向かう。
走りながら剣を抜き、頭部から真っ二つに切り裂いた。
子供は足を掴まれたまま、地面に落ちる。
僕は剣をしまうと子供のそばに行った。
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