第15章―旅路―

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すると突然子供の書いた円の内側から光が出て来た。 僕が子供を見ると、棒の先の記号が書き終えられていた。 何かは光の先には出られないらしい。 円の中をグルグル回っている。 子供は棒を両手で持ち、その手を何かに向かって突き出す。 「心無き造られたものよ。汝のあるべき場所へと帰り、あるべきもとの姿へと戻りたまえ。 リターン!」 何かはブルッと震えると足元から崩れていき、あっという間に円の中には土の山だけどなった。 子供が手をおろすと光は消えていく。 僕は何がなんだか分からず、その場に突っ立っていた。 子供はゆっくりと土の山へと近付くと、その中に手を突っ込んだ。 手を引き抜くとそこには赤い玉が握られていた。 「良かった……ちゃんと回収できた……」 子供はぼそりと呟いた。 「回収って?」 僕は子供に近付きながら聞く。 子供はビクッとすると、玉をズボンのポケットにしまってから僕の方を見る。 「なんでもないです。あなたのおかげで助かりました。ありがとうございます」 子供は丁寧にお辞儀をすると、フードを取った。 茶色の髪に茶色の目。 頬にはそばかすがあり、耳にはローブと同じ色のピアスをつけている。 歳は十二くらいだろうか。 僕よりも年下なのは確かだ。 だけど妙に大人びた雰囲気を漂わせている。 そうファーと似たような雰囲気だ。 「お礼なんていいんだよ」 僕は剣を鞘にしまいながら言った。
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