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「いえ。あなたがいなければ私は食べられていま」
「フェイア!」
少年の言葉は途中でかき消された。
後ろからファーとベルが走ってくる。
「ベルフォートが呼びに来て、なんか光が見えたから来てみたら……ってその子は?」
「何か魔物みたいのに襲われてた男の子だよ」
僕はファーに説明する。
少年はファーを食い入るように見ている。
その顔はどんどん驚きの表情へと変わっていった。
目はキラキラと輝いている。
「そっか、無事ならいいけど。君は大丈夫? 怪我とかは……」
「だっ、大丈夫です!」
少年は背筋をピンと伸ばし答える。
「うん、そのくらい元気なら大丈夫だね」
「はいっ!」
少年はハキハキと答えている。
ファーは少年ににっこりと笑いかけると僕のほうを見た。
「フェイアは? 怪我はない?」
「僕も大丈夫」
「良かった良かった」
ファーは僕の頭をクシャクシャと撫でる。
「あの……」
少年が僕達に声をかけた。
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