第16章―魔法の街―

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ウェインはファーを上目遣いで見ると顔を逸らす。 手をポケットに突っ込むと、赤い宝玉を取り出してファーに見せた。 さっき土から取り出したのはあれだったのか。 「ゴーレム精製用の宝玉はそう簡単に手に入らないものだよ? 一体どこで手に入れたの?」 ファーはウェインに優しく聞いた。 「学校の魔具庫から……」 「盗んだんだ?」 「ちがいます! ちょっと借りただけで……」 ウェインはもごもごと話す。 どうやら図星らしい。 「今私が何を言っても意味ないか。戻ってからちゃんと返しなさいよ」 ファーはポンッとウェインの頭に手を乗せる。 ウェインは泣きそうな顔をしてうなづいた。
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