第16章―魔法の街―

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ウェインは少しでも早くファーのようになりたかったから、ゴーレムを作り出したと言った。 ゴーレムが作ることが出来れば、学校でも一目置かれると思ったらしい。 だけど完全なゴーレムを作り出すには、沢山の魔力が必要なのだとファーは言う。 魔力がなければゴーレムは命令も聞かないし、体も不完全なまま出来てしまう。 ウェインの作り出したゴーレムはまさにそれだった。 ウェインはファーに色々と指摘されてうなだれている。 尊敬している人に言われたのだから、そうとうショックだっただろう。 ウェインは寝る時も、ずっとどんよりしていた。 ファーとベルが寝つき、僕は見張りをする。 夜の森は危険だから、交代で見張ることにしたのだ。 僕が火に薪を加えていると、ウェインが声をかけてきた。 「ねぇ……君も魔術師になるんだよね? 学校に通うんだよね?」 「僕は魔術師にはならないよ」 僕の発言にウェインはかなり驚いた。 「どうして!? ファリスト様が師匠なんでしょう?」 「一応は。でも僕は魔術師になる気はないんだ。僕は騎士になって王に仕え、自分の城を兄様と一緒に守る。それが小さい頃からの夢で目標だから」 「城ってことは、砂漠のほうからきたんだ。ファリスト様の弟子なのに……君は魔術師にならないのか……」 ウェインは僕の隣に座る。 僕はただ黙々と火を絶やさないように薪を加えた。
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