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ファーは思っていたより早く帰ってきた。
でも少し疲れているようで、ファーは部屋に入ってすぐベッドに横たわる。
「ファーどうしたの?」
僕はファーのそばに歩み寄る。
「少し先生に捕まってね……長話を延々と聞かされてきた……」
元気がない声で答える。
「いい先生なんだけど。明日も行くからまた会ってしまったらと思うと……気が重くなるよ……」
「明日も行くの?」
「そうだよ。そうそう、明日はフェイアも行くんだから」
「えっ!?」
僕は驚いた。
ファーは僕を見据える。
「魔法を学ぶなら学校のほうが良いからね。教えることに長けた人達ばかりだから。それにフェイアには基礎を教えたし、十分かなと思って」
「僕は魔術師になる気なんかないよ!?」
「うん。わかってる。別にならなくてもいいじゃないか」
「へ?」
僕は間の抜けた声を上げた。
ファーの言った意味がよく分からない。
「どういうこと?」
「そのままの意味。別に魔術師にならなくてもいいんだよ」
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