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手に何かがあたった。
ファーが水の入ったグラスをもらって僕の手元に持ってきた。
僕は急いでグラスを手にとり、一気に飲んだ。
ゴクッゴクッと水が喉を通る音がする。
「プハァ……」
僕はグラスをテーブルの上に置いた。
ファーがクスクスと笑っている。
「急いで食べるからだよ。言ったそばから詰まらせるなんて」
「まさか詰まるなんて思わなかったから……」
ファーの言葉に僕は少しうつむいた。
「馬鹿だからだろ」
ベルフォートがボソッと呟く。
その言葉を聞いたファーが吹き出した。
「ちょっと酷いじゃないか! 馬鹿じゃないし! あとファーも吹き出すなんて!」
「ごめんごめん」
ファーはまだ笑っている。
僕はムッとしながらパンにかぶりつく。
二人も笑いながらまた食べ始めた。
久しぶりにこんな楽しい食事をした。
ファーもベルフォートも気分がいいようだ。
僕達は上機嫌で店を出ると宿へと戻り、みんな眠りについた。
明日に備えて。
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