第17章―魔術学校―

10/13
前へ
/386ページ
次へ
床にはシックな色合いの赤い絨毯が敷かれている。 部屋の左右には天井に届きそうなくらいの棚があり、分厚い本や見たことのない不思議な道具などが、所狭しと並べられている。 部屋の奧には巨大な机がひとつ。 その上には書類や本がこれでもかというほど、高く積まれている。 人の姿は……どこにもなかった。 僕がキョロキョロしていると、どこからか声がした。 「とりあえずそこにお掛けになって」 声がしたと同時に椅子が僕達のもとへと飛んでくる。 僕達は声が言ったとおりにその椅子に座った。 すると書類や本がいきなり空中に舞い上がった。 僕は驚き、後ろに倒れそうになる。 浮かび上がった本は、棚にしまわれていく。 書類は部屋の角にある丸いテーブルへと移され、一枚一枚丁寧に重ねられる。 寸分の狂いもずれもなく、ぴっちりと。 そして綺麗になった机の向こうには、一人の女性が腰掛けていた。
/386ページ

最初のコメントを投稿しよう!

352人が本棚に入れています
本棚に追加