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床にはシックな色合いの赤い絨毯が敷かれている。
部屋の左右には天井に届きそうなくらいの棚があり、分厚い本や見たことのない不思議な道具などが、所狭しと並べられている。
部屋の奧には巨大な机がひとつ。
その上には書類や本がこれでもかというほど、高く積まれている。
人の姿は……どこにもなかった。
僕がキョロキョロしていると、どこからか声がした。
「とりあえずそこにお掛けになって」
声がしたと同時に椅子が僕達のもとへと飛んでくる。
僕達は声が言ったとおりにその椅子に座った。
すると書類や本がいきなり空中に舞い上がった。
僕は驚き、後ろに倒れそうになる。
浮かび上がった本は、棚にしまわれていく。
書類は部屋の角にある丸いテーブルへと移され、一枚一枚丁寧に重ねられる。
寸分の狂いもずれもなく、ぴっちりと。
そして綺麗になった机の向こうには、一人の女性が腰掛けていた。
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