第17章―魔術学校―

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「あなたがフェイア君ですね。ファリストから話は聞きましたよ」 その女性は静かに言った。 髪は金色で腰あたりまで伸ばし、軽くウェーブがかかっていて、とても上品な雰囲気だ。 目は緑色。 とても強い意志を感じられる目をしていた。 声も透き通っているのに威厳に満ちていてる。 「ファリスト。彼はこちらで預かっていいのかしら?」 女性はファーを見る。 「はい。お願い出来ますか。フロージア様」 フロージアと呼ばれた女性は、ファーに優しく微笑むと僕の目を見つめた。 まるで僕の心を見透かすような目で。 僕は目を逸らしたかったがそらせない。 まるで最初に会った時のファーの目のよう。 仕方なく、僕も女性の目を見つめ続けた。 ふと女性が笑う。 「この子は強い子ね。才能もあるみたい。いいわ。私が責任もって預かりましょう」 女性は指をヒョイと動かす。 すると書類の山から一枚の紙が出て来た。 その紙は僕の目の前で止まる。 「フェイア君。この紙に名前を書いて下さるかしら?」 「これは……なんですか?」 僕は女性に聞いた。 「それはここに通うための証明書みたいなものかしら。それがある限り、貴方の命は私達が守りますという契約書でもあるわ」 女性は優しく答えた。 「あの……名前を書こうにもペンが……」 「手をかざしてくれるだけでいいのよ」 僕は言われるがまま、紙に手をかざした。 手を離すと、そこには僕の名前が赤い字で書かれている。 「フェイア・ウィルヘルム。確かに受け取りました。 今から貴方はここの生徒となりました」 女性は指をパチンと鳴らした。 すると扉が開き、一人の男性が入ってくる。 「ロドル先生、彼を寮に案内して差し上げて」 「はい。かしこまりました。 君、ついておいで」 「え、ファーは……」 「彼女は私と少し話がありますから。すみませんね」 僕は少し戸惑ったが、ファーが促したので立ち上がり、男性についていった。 これから僕は今までと全く違う毎日を送ることになった。
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