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「誰かいますか~……」
僕はそっと扉を開き、顔だけを部屋の中に出した。
部屋の中は真っ暗で何も見えない。
とりあえず中に入り、明かりを探した。
壁にスイッチがある。
それを押すと部屋の中が明るくなる。
僕は部屋の中を見渡した。
部屋の中は思ったより広く、片付いていた。
ベッドが奥に横に並んで置いてある。
ベッドの隣には机があり、片方には本が高く積まれている。
ペンや紙も置いてあった。
その机は同居する人の机なんだろう。
部屋の真ん中には白と黒のしま模様の丸い絨毯が敷かれている。
部屋の両端には本棚があり、これも片方に本が沢山しまわれていた。
他にも羽ペンや巻かれた紙、赤や青色の玉が入ったビンなど、不思議なものも置いてある。
僕は何も置かれていないほうの机に荷物を置いた。
それから本棚に置いてあるビンに近付き、触れようと手を伸ばす。
「触るなっ!」
いきなり声がして僕は驚いた。
後ろを見ると、扉のところに誰か立っている。
「それに触らないで下さい! 大切なものなんですから!」
「ご、ごめんなさい! ちょっと気になったから……」
僕はうつむく。
するといきなり少年はあっと声をあげた。
「もしかして、その声はフェイア?」
なんで僕の名前を……
。
そういえば僕もこの声は聞いたことがある。
確か……。
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