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「ウェイン!」
僕は少年を見て顔がほころんだ。
同居人というのはウェインだったのか。
ウェインも僕の顔を見て笑顔になっている。
「フェイアが何故ここにいるんです? びっくりしましたよ」
「これからここで過ごすんだ。ウェインと同じ部屋でね」
「本当に!」
ウェインは嬉しそうに言った。
「でも、魔術師になる気がないって言っていたのにどうして?」
「魔術師になる気はないけど、魔法は学びたいと思って。あとファーがここで学べって」
僕は自分の頭を掻く。
ウェインはベッドに腰掛けた。
「そうなんですか。じゃあ分からないことはなんでも聞いて下さいね。知っている範囲でならいろいろ教えますから」
「ありがとう、ウェイン。助かるよ」
僕はにっこり笑いかける。
ウェインも僕に笑い返す。
「そうだ、早速なんだけど、あそこにある玉ってなんなんだ?」
僕は本棚に置いてあるビンを指差しながら聞いた。
「あれは魔力玉といって、火や水などの魔力が込められた玉なんです。まだ未熟な僕達魔術師には欠かせない道具なんですよ」
ウェインは立ち上がり、ビンを手に持って僕の元にくる。
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