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「この階は先生方の研究室になってます。上の研究室とは違って、先生個人の部屋になってるんです」
「個人?」
「はい。簡単に言ったら先生の部屋ですね。授業以外は大抵の先生はここにいますよ」
ウェインはにっこり微笑みながら言った。
「じゃあフロージアって先生も?」
僕はウェインに聞いた。
「いやいや! フロージア先生は一階の校長室が研究室ですから。フロージア先生だけは特別なんですよ」
「そうなんだ」
僕はフロージア先生を思い出す。
他の人とは違った雰囲気を持った先生だったな。
威厳があって……だけど優しそうな雰囲気もあって。
「フェイア?」
僕はウェインの声でハッとした。
「ぼーっとしないで下さいよ。ほら下へ行きましょう」
「えっ……あぁ。ごめんごめん。下りようか」
僕は先に行っているウェインに駆け寄る。
ウェインは置いていくよと言いながらも、ちゃんと僕を待っていてくれた。
僕がウェインに追いつくと、二人でまた階段を下りていった。
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