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「この階にフロージア様の研究室があります。位置的には寮の真下ですね。あとは授業の為の教室、学食もあるんですよ」
「そうなんだ」
「他には魔具を売っているお店もありますし。大抵授業で使うような魔具はこの階で揃います」
ウェインが廊下を歩きながら説明する。
この階は均等に廊下が伸びているらしい。
升目のようになっていて、階段からまっすぐいった所に学食を食べる場所があるようだ。
その隣には魔具を売っている店がある。
店の前を通ったとき、僕はショーウィンドウに並んでいる不思議な道具の数々に目を奪われる。
その度にウェインは僕の腕を引く羽目になった。
「教室は沢山あるから間違えないように気をつけて下さい。
入り口側から見て、縦がA~T、横が1~10と振られていて、一番左下の部屋はA-1、一番右上はT-10っていう風に数えます。
あとは時間厳守なので遅れたりしないようにしてくださいね」
ウェインは1つ1つの教室を説明しながら言った。
「じゃないと厳しい罰則をうけちゃいますから」
「罰則?」
「そうです。僕は受けたことないですが……受けた人によるとかなり恐怖するとか……」
ウェインは小さな声で言った。
僕は恐怖すると言うことを聞いて、城で剣術の訓練の罰則を思い出した。
けど魔術師はそれよりも厳しいかもしれない。
だって魔法がつかえてしまうんだから。
だから罰則を受けないようにしようと決心した。
罰は受けないに限る、うん。
「じゃあそろそろ地下へ行きますよ」
ウェインは階段を指差す。
下へ続く階段は暗く、異様な雰囲気を放っている。
僕達は階段をゆっくりと下っていった。
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