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階段は暗く長かった。
ろうそくがないのかと思ったら、上からライトが僕達の前を順に照らしていく。
僕は一瞬驚いたが、すぐに慣れた。
ウェインに置いて行かれないよう気をつけながら下りた。
「ここが地下の召喚場と魔具庫です」
階段から下りてすぐは廊下のようになっていて、目の前は大きなガラスが貼られている。
僕はガラスに近付き、下を見下ろした。
そして息をのむ。
この地下はとても広い空間になっていて、床には大小様々な無数の魔法陣が描かれている。
人がそばにいる魔法陣が所々光り輝き、様々な生物が陣の中に現れた。
「ここでモンスターと契約をするんですよ。すると外でも契約したモンスターを召喚することが出来るんです」
「モンスター……って魔物のこと? それとも魔獣のこと?」
僕はウェインのほうを見て聞いた。
「僕はよく分からないんです。まだ召喚できる実力がないから習ってないんですよ。
僕がわかることは、魔獣と魔物は違いますけど、どちらにも属しているものもいるので……呼び出したものによって違うかと……。
詳しくは先生に聞いたら分かりますよ」
「そうなんだ……じゃあさ、ドラゴンってどのくらいの力があれば契約出来るかはわかる?」
「ドラゴンはエレメントマスターでも契約するのは難しいモンスターですよ。どうして?」
「ほら、ドラゴンってすごく強そうだなと思ってさ。ただ聞いてみただけだから、気にしないで」
ドラゴンってそんなに契約するの難しいんだ……。
ファーはドラゴンを召喚してたんだよね。
実力はエレメントマスターくらいあるってことなのかな……?
僕は改めてファーの凄さを感じた。
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