第19章―入学試験―

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僕の正面にいる少女が僕を見てクスクス笑っている。 少女は緑がかったローブを羽織り、胸元に青いブローチのようなものをつけていた。 顔はフードでよく見えない。 僕は笑われたことでムッとなり、埃を払いながら立ち上がった。 「君、今試験受けたんだ?」 少女は僕を見上げながら聞いてきた。 僕は少女の問いかけを無視して、羽織っていたローブに袖を通す。 「昨日来たっていう子でしょ? こんな時期に来るから、みんな珍しがっていたの。君もウィザードなんだね。私と一緒だわ」 「何の用?」 僕は少女を睨みつける。 それでも少女はクスクス笑っていた。 「ただ興味があっただけよ。ファリスト様の弟子らしいって噂が流れてたから。別に用とかはないの」 「じゃあ話しかけなくてもいいんじゃない?」 「別にいいじゃない」 僕は少女に冷たく言い放ったが、少女は全く気にしていないようだ。 「怒っちゃダメよ。魔力の流れが乱れちゃうから。クスクス」 僕はだんだん少女に苛ついてきた。 早くこの場を離れたい。
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