第19章―入学試験―

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「僕行くところあるから」 「クスクス。嘘もだめ。分かるんだから」 少女は僕を見てにっこり笑いかける。 僕は少女を見つめた。 「ジュリアン! 何してるの!」 前からまた一人、少女がやってきた。 しゃがんでいた少女が立ち上がり振り向く。 「ちょっとねぇ。噂の男の子と話してたの」 「またちょっかい出してたのね。気になるのはわかるけど、授業に遅れちゃうでしょ。早く行くよ」 少女はジュリアンと呼ばれた子の手を引っ張る。 「そんなに引っ張んないでよ」 「いいから! 君、ごめんね。ほら早く!」 「ばいばぁい。また会いましょ」 少女は呑気に手を振っている。 僕はその場に訳が分からないまま、一人突っ立っていた。
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