第20章―ハプニング―

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黒いローブに金の刺繍が施されている。 栗色の髪を短く切っていて、背は高すぎず低すぎないくらい。ほっそりとしている。 僕らを見渡すと口を開いた。 「皆さんこんにちわぁ。体調はどうかしらぁ? 体調管理は大切だから気をつけることぉ。 では授業を始めるから教科書を開いてぇ」 先生はのんびりとした口調で話す。 にっこりと笑うと本を開いた。 僕はポケットから紙を取り出し、先生の名前を確認した。 「ローラ・シュバリエ先生か……」 僕は先生を見た。 先生は本のページをペラペラとめくっている。 僕も本を取り出した。 「ページは百七十三ページを開いてぇ」 先生が言うと同時にページがめくられる音がする。 僕も指定されたページを探す。 本を開き、先生に向き直った。 全員が向き直ったことを確認すると、先生は話し始める。 「いつも言ってるけれど、私は魔力の制御の仕方を教えてるわぁ。魔力の制御が出来ないと、自分の命を失うことになりかねないのぉ」 おっとりとした言い方だが、どこか不気味な感じがした。 他の人もきっと同じようなことを感じているのだろう。 先生が話しているときは、さっきまで小声で話していた人も黙り込み、先生の言葉に静かに耳を傾けていた。 「マスタークラスでも制御できなくなると命を落とすことはあるわぁ。だから自分の力に自惚れないことが大切よぉ。魔法は危険なものなのだからねぇ。じゃあ、始めるわねぇ。」 先生はまたにっこりと笑い、本に目を落とした。
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