第20章―ハプニング―

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「今日は新しく来た子がいるから、復習をかねて基礎の練習をするからぁ、魔力玉をみんな出してぇ」 先生が手をパンパンと叩く。 みんな言われたとおりに鞄やポケットからビンを取り出し、机の上に置いた。 「自分の得意な属性の玉を出して握ってねぇ。力を入れすぎて割らないように気をつけてぇ」 ビンから赤い玉を取り出す。 ウェインは薄い緑の玉を。ジュリアンは青い玉を取り出し、握った。 「じゃあ握りしめた手に魔力を集中させてねぇ。ゆっくりと流し込むのよぉ。急激に流しちゃうと、暴走しちゃうからねぇ」 先生は机の間を歩きながら言う。 僕は手を見つめ、集中した。 試験の時のように、体の中で何かが熱くなっているような気がする。 中心から手に熱が移動する。 手が熱い。 先生が開いてと言った。 僕はそっと手を開く。 魔力玉は開いたと同時に炎を上げる。 触れているのに熱くない。 だけど魔力玉は確かに燃えている。 僕はウェインのほうに目をやった。 ウェインの手の中では風が渦巻いている。 目では風は見えないが、魔力玉が宙に浮き、グルグルと回転していた。 ジュリアンは水の玉で魔力玉を包んでいる。 魔力玉は水の中でゆっくりと揺らめいていた。
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