352人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は自分の炎に視線を移した。
炎は赤く燃えている。
じっと見ていたら前の方が騒がしいことに気付いた。
見てみると、本が舞い上がっている。
周りの本も巻き上げている。
まるで小さなハリケーンだ。
次から次へと本やペン、ビンなどを巻き上げていく。
時々巻き上げていた物を周りに吹っ飛ばしている。
僕の顔に本が飛んできたが、ギリギリで交わした。
本は壁にぶつかり床に落ちる。
ジュリアンにはペンが飛んできたが、ジュリアンは余裕でよけた。
ウェインは机の下に身を隠している。
周りの人が話しているのを聞くと、あれは魔力が暴走したらしい。
魔力玉に魔力を注ぎすぎて制御出来なくなったようだ。
ハリケーンの近くの席の人は、みんな頭を庇いながらしゃがんでいる。
何人か本がぶつかったらしく、頭を抱えて倒れていた。
中には床で痛みに悶絶し、転がり回っている人もいる。
離れている人は壁際へ避難していた。
先生は小さなハリケーンへと歩み寄る。
先生のほうにも物は飛んでいくが、全て先生の目の前で落ちる。
まるで見えない壁にぶつかったように。
先生は手を伸ばし、暴走している魔力玉に手のひらをかざす。
すると風はピタリと収まり、巻き込まれた物は床に落ちていった。
最初のコメントを投稿しよう!