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「妖精に触れたとき、妖精の考えなのかな……そんなのが流れ込んできたんだ。
妖精は魔力を貸そうって言ってて……ずっと触れていなさいと言われて。だから妖精に触れたまま僕は手をかざしたんだ」
ウェインがうなづきながら話を聞く。
「それから炎の槍をイメージして、集中して、出てこいとか思ったら出来たんだよ」
僕はあやふやな説明をする。
思ったことを言葉にするのはつくづく難しい。
ウェインに伝わっただろうか。
僕はウェインのほうを見る。
ウェインはすごいなぁと呟いた。
「いきなり炎の槍を放てるなんてすごいですね! でも習ってないのにどうして使えたんですか?」
「ファーが使っていたのを思い出して。まさか出来るとは思わなかったけど」
「やっぱりフェイアには才能があるのですね」
ウェインはにっこり笑いながら言う。
僕は苦笑しながら礼を言った。
魔法の才能があると言われても、僕は複雑な気分だ。
ファーに会うまでは魔術師も魔法も嫌いだったのだから。
そんな僕がまさか魔法を習うなんて思わなかった。
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