352人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうしました?」
ウェインは僕の顔を覗き込む。
僕はウェインに笑いかけた。
「ただ前のことを思い出していただけだよ。僕も変わったなぁって思って」
「そんなに変わったんですか?」
「まぁね」
僕は苦笑した。
ウェインは深く追求してこないから僕にとっては嬉しかった。
ウェインは魔術師にずっと憧れていた少年だから、僕が昔魔術師を嫌いだったとか言ったら気分を害するだろうから。
ウェインは聞きたいのだろうが、頑張ってその思いを押し殺している。
僕は起き上がり、ウェインの肩を叩いた。
「そんなに気にするようなことじゃないからさ。あとずっと言い忘れてたけど、敬語じゃなくていいよ」
「いいんですか?」
「当たり前じゃないか!」
僕はウェインに微笑みかける。
「もう僕達は友達だろ? 友達に敬語はおかしいじゃないか」
「ありがとう! じゃあ、これからは敬語は使わないよ! フェイア!」
「それでよし!」
ウェインはにっこりと笑う。
僕もウェインに笑いかけた。
それから僕達は今日起こったことについて語り合った。
最初のコメントを投稿しよう!