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僕達は先生の研究室の前に来ると、扉をノックする。
中から先生の声がした。
僕はドアノブを回し、中へと入る。
先生の研究室の中は不気味だった。
入ってすぐ目に付いたのは机の上にある髑髏だ。
目にはルビーがはめこまれている。
他にも紫色や緑色をした液体が入った瓶や、手のミイラなどが置いてある。
床には大小様々な魔法陣が描かれている。
角にある本棚には召喚魔法に関する書物があった。
特に悪魔に関する本が三分の二は占めている。
僕がじっと本棚を見つめていると、ジュリアンが僕を小突いた。
僕はやばいと思い、先生を見た。
「さて……君達に対する罰は図書室の整理だ。司書が最近困っていたようなのでな。
ただ図書室の本を元の場所に閉まってもらうだけの簡単な仕事だ」
「それだけですか?」
僕は先生に聞いた。
先生は一瞬驚いた表情になるが、すぐいつもの険しい表情に戻る。
「あぁ。それだけだ。詳しいことは司書のマリオン先生に聞きなさい」
先生はそれだけ言うと僕達を部屋から出した。
僕はトイレ掃除と言われなかったから上機嫌だったが、ジュリアンとウェインは沈んでいた。
「そんなに落ち込むなよ。トイレじゃなかっただけいいじゃないか」
「貴方は図書室を知らないのねぇ……」
ジュリアンは呟く。
僕はその意味がよくわからなかったが、図書室の扉を開けてようやくその意味を理解した。
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