第22章―悪夢と罰掃除―

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少し男子と女子の間に隙間があいた。 僕達はすかさずその隙間に潜り込み、下へと降りていく。 一階まで行くと、みんな同じ方向へ走っている。 僕とウェインは顔を見合わせうなづくと、みんなの跡を追った。 辿りついたのはある教室。 入り口に沢山人がいて、中を見ることが出来ない。 僕は押し分けながら入り口へと近付く。 入り口から見えた教室の中は酷い惨状だった。 壁はところどころ大きくへこんでいる。 ガーゴイルが使った黒い玉が当たった時と同じ感じだ。 そこだけがキレイになくなっている。 床には血溜まりが出来ていて、壁にも血が飛び散っていた。 床には巨大な魔法陣。 白いチョークで描かれている。 魔法陣の横に横たわる人間だったもの。 今では姿形がどんなのだったのかさえわからない状態だ。 そして、この部屋に残っている寒気がはしるこの雰囲気。 この独特のまがまがしさ。 僕は間近で感じたことがある。 これは……悪魔が召喚された時の雰囲気だ。 忘れもしないあの不気味な感じ。 悪意の塊を僕はすぐ近くで感じたんだ。 僕は魔法陣と人間だったものをじっと見つめた。
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