第22章―悪夢と罰掃除―

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「何集まっているのだ。さっさと散りたまえ! 邪魔だ!」 後ろからルシード先生が生徒達をどかせながら近付いてくる。 その後ろにはフロージア先生がいた。 フロージア先生はルシード先生に押されて倒れた生徒に手を差し伸べていた。 ルシード先生は荒々しく教室の中へと入っていく。 フロージア先生は静かに教室の前に立った。 「皆さん、これは面白いものではないのです。ですからあまり興味本位で見ないように。いいですね?」 フロージア先生はにっこりと微笑むと教室の中へ入り、扉を閉めた。 みんなは残念そうな溜め息をつきながら、バラバラに散っていく。 僕は一人、扉を見つめていた。 「フェイア!」 ウェインは僕のもとにかけてきた。 僕はウェインのほうを向く。 「はぐれたから焦ったよ。フェイアは中の様子見れた?」 「うん。見れたよ」 「どんな風になってたの?」 ウェインは目を輝かせながら聞く。 僕は少し考えてから口を開いた。 「そんな面白いものはなかったよ。あったのは妖精が飛び交ってる姿だけさ」 「なんだ~」 ウェインはがっくりと肩を落とした。 きっとこれでいいんだ。 ウェインはあんなものを見ない方がいいんだ。 あれはあまりにも酷すぎる。 それに……あれが悪魔の仕業だとしたら……すごく大変なことだから。 だからまだ、先生が教えるまでは言わない方がいいんだ。 僕はトボトボと歩くウェインに飛びつく。 それから二人で寮へと向かった。
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