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朝になり、食堂でジュリアンと合流する。
ジュリアンも教室の中は見れなかったらしい。
教室の近くに着いた頃にはもう扉が閉められていたんだそうだ。
中を見た僕に様子をしつこく聞いてくるが、僕はウェインに言ったことと同じことを言った。
ジュリアンは怪しんでいたが、しぶしぶ僕から聞き出すことは諦めた。
「フェイアが言うならきっと本当なんでしょうねぇ」
ジュリアンはきっとを強調して言った。
「だから本当だってば」
「仕方ないから信じるわよ。それよりも、早く食べてくれないかしら? 授業が始まるわよぉ?」
ジュリアンはクスリと笑うと食堂から出ていった。
僕達は時間を確かめ、急いで食べ物を口に運んだ。
のどにつまりそうになったが、水で流し込む。
食器を片付けると、僕とウェインは走って教室に向かった。
教室の扉を開けてジュリアンを探し出し、隣に座る。
ジュリアンはクスクス笑っていた。
「だいぶ走ったのね。息が切れてるわぁ」
「なんで……もっと早く教えてくれなかったんだよ」
「知ってると思ってたの。でもちゃんと教えたでしょ? 遅刻しなかっただけいいじゃない」
ジュリアンは笑う。
「そういう問題じゃ……」
「先生がきたよ。二人共」
ウェインが僕達に言う。
僕は本と魔力玉を取り出して机の上に置いた。
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