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「はぁい、皆さぁん。おはようございまぁす」
ローラ先生がにっこりと笑いながら言った。
「今日は朝からいろいろありましたねぇ。この時間は授業じゃなくて、それについて話しますよぉ」
先生は笑うとゆっくりと話し出した。
「今日、あの教室の中を見た人はここに何人いますかぁ?」
先生は周りを見渡す。
誰1人として手を挙げるものはいない。
先生はふむと言うとまた話し出す。
「正直に手を挙げてくださいねぇ。責めるわけではないですからぁ」
すると少しずつだが手を挙げるものが現れた。
先生はその人数を数え始める。
僕もおずおずと手を挙げた。
「十人ですかぁ。思ったよりいますねぇ。見た人に言いますね。あの光景は忘れてはいけませんよぉ。あれは魔法の危険な面ですからねぇ。
見てない人は見れなくて正解です。あれは酷すぎますからねぇ」
先生は左右に歩きながら言う。
先生は状況を説明するのだろうか。
そしたら僕が二人に嘘をついたことがバレてしまう。
いつかはバレるものだとは分かっているが、こうも早くバレてしまうと気まずくなる気がする。
僕は先生が状況を説明することがないよう祈った。
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