第23章―禍々しきもの―

3/14
前へ
/386ページ
次へ
「はぁい、皆さぁん。おはようございまぁす」 ローラ先生がにっこりと笑いながら言った。 「今日は朝からいろいろありましたねぇ。この時間は授業じゃなくて、それについて話しますよぉ」 先生は笑うとゆっくりと話し出した。 「今日、あの教室の中を見た人はここに何人いますかぁ?」 先生は周りを見渡す。 誰1人として手を挙げるものはいない。 先生はふむと言うとまた話し出す。 「正直に手を挙げてくださいねぇ。責めるわけではないですからぁ」 すると少しずつだが手を挙げるものが現れた。 先生はその人数を数え始める。 僕もおずおずと手を挙げた。 「十人ですかぁ。思ったよりいますねぇ。見た人に言いますね。あの光景は忘れてはいけませんよぉ。あれは魔法の危険な面ですからねぇ。 見てない人は見れなくて正解です。あれは酷すぎますからねぇ」 先生は左右に歩きながら言う。 先生は状況を説明するのだろうか。 そしたら僕が二人に嘘をついたことがバレてしまう。 いつかはバレるものだとは分かっているが、こうも早くバレてしまうと気まずくなる気がする。 僕は先生が状況を説明することがないよう祈った。
/386ページ

最初のコメントを投稿しよう!

352人が本棚に入れています
本棚に追加