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みんなは開いたページを食い入るように見つめる。
多分信じたくないのだろう。
先生の話が正しければ、この場所で悪魔の召喚が行われ、その悪魔は魔法陣の拘束の魔法を破って自由を手にしたことになるのだから。
ということは……学校内で悪魔が野放しになってることを意味していた。
「悪魔というものは簡単に召喚し、使役できるものではない。悪魔は狡猾で力もある。
また自由をその力を解き放ちたいがために破壊することを好む」
先生は力を入れて説明する。
その声には悪魔に対する尊敬の念さえ伝わってくるような感じがした。
「悪魔ほど強く賢い生き物はいない。悪魔は知っての通り闇の使い魔と言われている。闇の精霊が生み出した最高傑作なのだ。
闇の力は強大で全てを呑み込む。この間のガーゴイルで感じただろう? その力を!」
生徒達が息をのむ。
先生の気迫はみんなを怖じ気つかせた。
それに悪魔の力について熱弁している。
その熱弁っぷりは生徒達を悪魔に恐怖させるには十分なほどだ。
「あの場にあった死体は元が誰なのか分からない状態となっていた。だがあんな状態になるほどの力を持つ悪魔を召喚するには一人の魔力じゃ全くもって足りない。
ということは何を指すのか。それは……」
「他にも悪魔召喚を手伝ったものがいる」
ドリューが途中で口を出した。
みんながドリューのほうを向く。
だがすぐに先生に視線を戻した。
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