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僕は一人、明かりがついていない暗い廊下を歩いていた。
ゆっくりと気配を消しながら進んでいる。
人の気配は全くしない。
僕は周りに注意を払いながら歩んでいった。
いきなり人が曲がり角から現れる。
僕は廊下の壁に背中をくっつけて、静かにやり過ごす。
あの人はルシード先生だ。
僕が歩んできた方へと向かっていく。
僕はバレないように、ルシード先生の後ろをついていった。
だけどおかしい。
僕はさっきベッドに横になって眠ったはずだ。
それに悪魔が学校内にいるので、夜に寮の外を歩き回ることは禁止されている。
なのに僕は歩き回り、先生にもバレずにあとをつけている。
僕は違和感を感じつつも、先生の後ろを少し離れてついていった。
先生は校内の見回りをしているのだろうか。
廊下を縫うように歩き続けている。
時々僕の気配がしたのか、後ろを振り向く。
僕はその度に壁にくっつき、先生が進み始めるのを待った。
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