第23章―禍々しきもの―

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ルシード先生は静かに教室から出ると、ドリューのそばにいき、片膝をついた。 ドリューは相変わらずガタガタ震えている。 「何故ここにいる。ドリュー」 ルシード先生が名前を呼んだだけで、ドリューはビクッとする。 「先生の……助けをしたいと思って……」 「校則違反なのはわかっているな」 「はい……でも……」 「でもじゃない」 ルシード先生はいつもより声を荒げた。 ドリューは小さく縮こまる。 「今は危険だと説明したはずだが? もし私じゃなく召喚された悪魔や召喚者に見つかっていたら、お前が死んでいたかもしれないのだぞ」 「すみません……」 ドリューは震える声で、小さく呟いた。 「ここはお前が駆けつけたときはもうこんな状況だったか?」 ドリューはうなづいた。 「全く。今回は無事だったから良かったが、今後はこんな真似はするな。わかったか、ドリュー」 「はい……」 「さっさと立て。寮まで送ってやる。私は他の先生方にも知らせにいかなければいけないのだから。ほら、急げ」 ルシード先生はドリューを立たせると、寮へ向かって歩き出した。 立たせる前に先生は一瞬教室を見た気がした。 まるで何かを確かめるかのように。 多分僕の気のせいだろうが。 先生は早足で歩き出した。 僕はついていこうとするが、体が動かない。 視界もだんだんぼやけてきた。 何かに引っ張られる。 僕の目の前は真っ暗になった。
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