352人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は自分のベッドの上で目を覚ます。
僕は起き上がり、額の汗を拭った。
太陽の光がないということは、今はまだ夜明け前だ。
「さっきのは夢だったんだ……」
僕は静かに呟いた。
だけど夢にしてはすごくリアルだった。
廊下も先生も……あの教室の中も。
夢じゃないような感じだ。
でも夢なら納得いくこともある。
先生に追跡がバレなかったこと。
あと夢での視点。
僕はまるで宙に浮いているかのように、先生を斜め後ろから見ていた。
僕は空中浮遊の魔法が使える訳じゃないし、翼があるわけでもない。
なのに僕は先生より上から見ていたんだ。
これらは夢だからこそ納得出来ることだった。
「あっ……太陽が昇り始めた」
カーテンの隙間からこぼれる朝陽。
僕は少しだけカーテンを開け、外を眺めた。
太陽が血のような光を街中に照らしていた。
今日もまた一日が始まる。
僕はベッドから出て、服を着替える。
ウェインが起きるまで時間は沢山ある。
僕は机に向かい、召喚魔法の本を取り出し、ページをめくる。
悪魔のページを開くと、そのページを穴があきそうなほど、何度も読み返した。
最初のコメントを投稿しよう!