第23章―禍々しきもの―

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悪魔……闇から生まれた強大な生命体……。 膨大な魔力を持ち、破壊することを快楽とする。 悪魔を使役するには血の誓約または力の誓約をしなければならない。 血の誓約は主が死したあと、その血を肉を全て捧げる誓約。 力の誓約は主が一方的に力で悪魔自身の魔力を抑制し、使役する誓約。 ただし力の誓約は殆ど行われることがない。 悪魔は召喚されると空気は震え、冷え切り、不思議な感覚に襲われる。 その感覚は恐怖に絶望。 また圧倒的な魔力による圧力と言われている。 また召喚するには巨大で複雑な魔法陣を要する。 悪魔にはいくつもの階級があり、上の階級になるものほど、複雑な魔法陣と大量の魔力を必要とする。 その大量の魔力は一人では足らず、絶対に数人から数十人の魔力が必要である。 魔法陣は間違いが許されない。 少しでも間違えると、束縛の魔法は作用せず、悪魔に自由を与えることになる。 悪魔は召喚する時、召喚した後でも危険な生物である。 したがって何時も油断することは許されない。 悪魔を召喚した者は、体のどこかに誓約の烙印が押される。 僕は最後の文章を何度も読んだ。 『悪魔を召喚した者は、体のどこかに烙印が押される。』 なら、烙印を押された人を探せばいいんじゃないか。 きっと悪魔を召喚した人は沢山の魔力を持っているはず。 そうでなければ、二人という少人数で悪魔召喚を出来るはずがないのだから。 そう考えると、犯人は先生の中にいることになる。 絶対に見つけてみせる! 僕は本を閉じ、窓を開けた。 日は昇り、爽やかな風が頬をくすぐる。 行動は早めにしなければ。 どんどん犠牲者が出てしまう前に。 僕は太陽を見つめ、覚悟を決めた。
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