第24章―召喚者を探せ―

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僕達は授業が終わった後、図書室に集まった。 僕は角にある机を選び、座った。 「図書室で何するのよ?」 ジュリアンが僕の方を向いて聞いた。 「悪魔を召喚した人を探そうと思うんだ」 僕は周りに人がいないことを確認してから、小さな声で二人に囁いた。 「はぁ!? 馬鹿じゃなぁい? そんな人を探してどうするのよぉ?」 「そうだよ。それに悪魔を召喚するような人を探すなんて大変だし」 立ち上がったジュリアンをなだめながらウェインは言う。 「確かに大変だけど……犯人を突き止めたいとか思わないのか?」 「別に思わないわよ」 「僕も……」 二人は溜め息混じりに言った。 「犯人を見つけたら悪魔を帰せるかもしれないじゃないか! そうしたらこの危険な毎日から離れられるんだよ?」 「まぁ……そうだけど……」 ウェインはうつむく。 「探すのだってすごく危険じゃないか。第一ここには何百人もいるんだよ? その中から一人だけなんて探せっこないよ」 「ウェインの言う通りよ。探すのなんて無理だわぁ。それに危険すぎるものぉ」 ジュリアンとウェインが立ち上がり、図書室から出ていこうとする。 そんな二人を僕は必死で引き止めた。 「じゃあさ! 大体、犯人が絞れてるって言ったらどうする?」 二人は同時に振り向いた。 二人共、僕の発言に対する驚きが隠せないでいるようだった。 「それってどういうことかしら?」
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