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ジュリアン達はまた座り、僕の話に聞き耳を立てる。
「まず、先生は悪魔を召喚するには大量の魔力が必要だと言っていたよね?」
「えぇ、そうね」
「そしてそれは一人では召喚出来ないとも言っていた。そこで僕は二つの仮定を立てたんだ」
僕は指を二本立てて説明する。
「一つは五人以上で悪魔を召喚すること。だけどこれは大人数で行動しなければ行けないから、逃げ出すときも召喚するときもすごく目立ってしまうと思うんだ。
だから、まず僕はこれではないと考えた」
僕は一本指を折り曲げる。
ジュリアンとウェインは納得するようにうなづいた。
「もう一つは二人くらいの少人数で召喚すること。二人だったら目立たないし逃げるのも楽だからね。
だから僕はこっちだと思うんだ」
「それでは無理だわ」
ジュリアンが言った。
「そんな人数じゃ魔力が足りないんじゃ? 生徒じゃ絶対無理よ」
「誰も生徒だとは言ってないだろ?」
僕はニヤリと笑う。
二人は驚いた顔をした。
「だから僕は生徒じゃなくて……先生の誰かが召喚したと思ってるんだ」
「なに考えてるのよ!」
ジュリアンは勢いよく立ち上がった。
みんなの視線が僕達に集まる。
ウェインは慌ててジュリアンを座らせた。
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