第24章―召喚者を探せ―

3/10
前へ
/386ページ
次へ
ジュリアン達はまた座り、僕の話に聞き耳を立てる。 「まず、先生は悪魔を召喚するには大量の魔力が必要だと言っていたよね?」 「えぇ、そうね」 「そしてそれは一人では召喚出来ないとも言っていた。そこで僕は二つの仮定を立てたんだ」 僕は指を二本立てて説明する。 「一つは五人以上で悪魔を召喚すること。だけどこれは大人数で行動しなければ行けないから、逃げ出すときも召喚するときもすごく目立ってしまうと思うんだ。 だから、まず僕はこれではないと考えた」 僕は一本指を折り曲げる。 ジュリアンとウェインは納得するようにうなづいた。 「もう一つは二人くらいの少人数で召喚すること。二人だったら目立たないし逃げるのも楽だからね。 だから僕はこっちだと思うんだ」 「それでは無理だわ」 ジュリアンが言った。 「そんな人数じゃ魔力が足りないんじゃ? 生徒じゃ絶対無理よ」 「誰も生徒だとは言ってないだろ?」 僕はニヤリと笑う。 二人は驚いた顔をした。 「だから僕は生徒じゃなくて……先生の誰かが召喚したと思ってるんだ」 「なに考えてるのよ!」 ジュリアンは勢いよく立ち上がった。 みんなの視線が僕達に集まる。 ウェインは慌ててジュリアンを座らせた。
/386ページ

最初のコメントを投稿しよう!

352人が本棚に入れています
本棚に追加