第24章―召喚者を探せ―

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「馬鹿じゃないの! 先生が悪魔を召喚するはずないじゃない! フロージア様が選んだ人々よ? そんなはずないわ!」 ジュリアンは小さな声で僕を怒鳴った。 「信じたくはないけどさ、実際召喚出来るのは先生くらいだろ? 安定した大量の魔力を持っているし……」 「一理あるけど、悪魔なんか召喚しようとする人なんていないよ……?」 ウェインが僕を見つめながら言う。 「いると思うよ。僕の中では一応一人に絞ってるんだ」 「えっ! 誰なの?」 ウェインが僕に聞いた。 僕は真剣な顔で静かに言う。 「ルシード先生だよ」 二人は僕の発言に驚いた。 「ルシード先生は悪魔について詳しいし、悪魔の説明をするときはすごい力説してる気がするんだ」 「ルシード先生は悪魔を尊敬してるとかいう噂はよく聞くけど……噂でしかないわ」 「噂だってそれらしい行動がなきゃたたないだろ?」 僕の言い分に二人は黙りこむ。 「それに、複雑な魔方陣だって、あの先生なら描けると思う。なんせ、召喚魔法の先生なんだから。 あとはなんでも調べてみなくちゃ分からないだろ? 調べるくらいは僕達でも出来るんだから!」 僕は力強く言った。 二人は顔を見合わせると僕を見た。 「調べるだけよ?」 「フェイアがそこまで言うなら」 「ありがとう!」 二人共妥協して、僕を手伝うことになった。
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