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「ほら! 持ってきたわよ!」
「すごい! どうやって先生を説得したの?」
ウェインが感動し、ユニコーンの血を見つめながら聞く。
「ローラ先生って、噂では悲しい話に弱いらしいのよぉ。人が病気で死ぬとか、もう治らない怪我だとか、そういう話には特にねぇ。
だから、親戚が不治の病ってことにして借りてきたのよぉ。本当に借りれるなんて思ってなかったけどねぇ」
「噂も頼りになるもんだなぁ」
僕はジュリアンに感心した。
ジュリアンは僕達の目の前にユニコーンの血が入った瓶を置く。
ユニコーンの血はキラキラと金色に輝き、太陽の光のようだった。
僕とウェインはユニコーンの血に見とれていた。
「これをどうするのよ?」
ジュリアンが椅子に座りながら聞いた。
僕はポケットから空の瓶を取り出して、ユニコーンの血の隣に置く。
「これに血を少し移すんだ。それからそれを三つに分けて、僕達はそれぞれ一つずつ持つ。
そうすれば悪魔に襲われても大丈夫だからね」
僕は二つの瓶の蓋を開けて、ユニコーンの血を少しずつこぼさないよう丁寧に瓶に入れていった。
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