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「ジュリアンが噂好きで良かったよ」
僕は笑いながら言う。
ジュリアンは噂や占いが好きだ。
しかも占いは百発百中だとか。
なので女子の間では、困った時にはジュリアンに聞け!と言われるくらい信用されている。
そしてジュリアンの占いは、非の打ち所がないほど完璧なので、占い好きのローラ先生が毎回絶賛しているほど。
だからローラ先生にジュリアンを向かわせたのだ。
ジュリアンだったら魔具を貸してくれるだろうという、僕の予想は見事に的中した。
これで悪魔対策は出来た。
あとはルシード先生を調べるだけ……だけどこれに関しては、どうしようも出来なかった。
変に動いたら怪しまれるし、かといって何もしないでいても結果は得られない。
僕達は長い間悩み続けた。
すると突然ウェインが口を開いた。
「そうだ。何か召喚して、その召喚したものに調べさせればいいんじゃないかな?」
「召喚させるって一体何を?」
「妖精だよ!」
ウェインは元気よく答えた。
「妖精は姿を消せるし、呼び出したりするのも楽だよ。それに妖精は精霊に最も近いと言われているんだ。
だから強力な魔力を持っている。そうしたら悪魔にだって対抗出来るよ! 多分……」
僕とジュリアンは顔を見合わせウェインを見た。
語尾だけやけに小さかったけど、ウェインの目はらんらんと輝いている。
確かにウェインの言うことは一理ある。
妖精は小さいしなかなかバレないだろう。
やってみる価値はあるかもしれない。
「よし! じゃあ妖精を召喚して、ルシード先生を調べあげよう! 」
「えぇ!」
ジュリアンも力強くうなづいた。
ウェインは満足そうに笑った。
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