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僕達は地下へと降りた。
魔法陣を描くために召喚用の部屋へと急ぐ。
小さな部屋の扉を開けて、中へと入った。
部屋の明かりをつけ、白いチョークで魔法陣を描いていく。
「これで良かったかな?」
ウェインがチョークを置きながら訪ねた。
僕はコクンとうなづく。
「誰が召喚するのよ?」
「僕がするよ。犯人を捜そうって言い出したのは僕だからね」
僕は魔法陣に手をかざした。
そして手に魔力を集中させる。
「世界の狭間から生まれしものよ。世界の混沌から生まれし命よ。我が言の葉の契りにより、この場に姿を現したまえ。出でよ……ピクシー!」
魔法陣が光り輝く。
魔法陣の中心に妖精が現れた。
静かに目を開けると妖精は僕を見据えた。
─―また会いましたね。
「え?」
僕は妖精を見つめた。
「話しかけたのは……」
─―私です。貴方の頭に直接話しかけてるのです。
僕はゴクリとつばを飲み込んだ。
─―何か私に用があるのでしょう?
「ある人をずっと見ていてほしいんだ。そしてその行動を全て事細かに教えて欲しい」
─―何故私なのです?
「妖精なら姿が消せるし、力も持っているから。僕達じゃその人物を調べられない。やってくれないかな?」
妖精は黙り込んだ。
僕は妖精を見つめる。
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