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僕は先生が棚から出てきたとこを、後ろから話しかけた。
「先生っ」
「えっ!? キャアッ!」
シリア先生は抱き抱えていた本を落とし、しりもちをついた。
「先生、大丈夫ですか?」
「えっ…えぇ。大丈夫ですよ」
先生は答えると、埃を払いながら立ち上がり、本を拾い始めた。
僕も拾おうと手を伸ばしたら、先生が僕の腕を掴んだ。
どんどん力が込められ、ギリギリと音がする。
あの細い腕からどうやったらこんなに力が出るんだ……。
「先生……痛いです……」
「あ、ごめんなさいっ」
シリア先生はハッとして手を離した。
先生の手の跡がくっきりと残っている。
先生は本をサッと拾うと、僕の腕を見た。
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