第25章―疑わしき人―

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「ごめんなさいね?」 先生はそう言うと、僕の腕に手を重ねた。 優しい光が僕の腕を包み込む。 光が消えた時には僕の腕についた跡は綺麗さっぱり消えていた。 「この本は生徒は閲覧禁止だからつい……痛かったでしょう? ごめんなさいね」 先生は急いで立ち上がり、本を抱えて出ていった。 僕はウェイン達のもとへと戻る。 「フェイアったら余計なことをしないの」 ジュリアンが落書きしながら言う。 「気になったことがあってさ。シリア先生はまた悪魔に関する本を借りてたんだよ」 「悪魔対策の為でしょう? この学校には悪魔がいるんだから。当たり前のことじゃない」 ジュリアンが溜め息をつきながら言った。 ウェインもジュリアンの意見に同意している。 「そうだよな。何もおかしいことなんてないか」 僕は納得すると、また本を開いて様々なことを書き留めた。 僕が書き留めたものを参考に宿題を三人で終わらせる。 終わると本を元の場所にしまい、僕達は図書室を後にした。
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