第25章―疑わしき人―

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あそこにいたのは……ルシード先生……。 何かと話していた……。 先生の周りにはキラキラと光ったものがあった。 きっとあれは悪魔か何かの能力だ……。 僕はまた部屋の中を覗いた。 やはり、何度見ても、部屋にいたのはルシード先生だ。 本を持ちながら、何かを呟いている。 その足下には小さな魔法陣。 何かを召喚しようとしているのだろうか……。 僕はルシード先生を見つめ続けた。 ふいに先生が扉の方に目を移した。 先生と一瞬目が合う。 先生は本を急いで閉じた。 僕はヤバいと思い、扉から離れて逃げ出そうとする。 だけど体が動かない。 僕はその場で凍り付いていた。 扉が開き、ルシード先生が現れた。 僕を見て一瞬驚いた顔を見せるが、すぐにいつもの無愛想な顔に戻る。 「こんなところで何をしている? フェイア・ウィルヘルム」 「その……通りかかっただけで……」 僕はどもりながら答える。先生は難しい顔をしていた。 「さっさとここから離れたまえ。そしてこの中の様子は誰にも口外するな。でなければ、お前が犯人として怪しまれてしまうぞ……」 先生はそれだけ言うと、ローブを翻して足早に去っていった。
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