第25章―疑わしき人―

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先生と入れ違いに二人が僕に駆け寄ってくる。 「話の途中で走らないでよねぇ」 「どうしたの、フェイア?」 「その話、続きは?」 僕はジュリアンに訊ねる。 「え? んと……そうそう、殺された人はキリア先生だっていうの」 「キリア先生は出張じゃないの? よくいろんな先生が長期間出張でいなくなるから、そうだと思ってたんだけど」 これはウェインだ。 「私もそう思ってたんだけどねぇ」 ジュリアンはウェインににやりと笑う。 「姉妹のシリア先生の様子がおかしいでしょ? 最近やけに怯えてるの。まるで、次に殺されるのはキリアの妹の私なんじゃないっかってね」 「姉妹? だからやけに似てると……」 「髪の色が違うから、すぐ見分けはつくけどねぇ。シリア先生は茶色でキリア先生は黒髪だから」 ジュリアンは自分の髪を指に絡めながら言った。 「もし、その噂が本当だとしたら……」 「相当大変よねぇ。生徒に先生が殺されたとか言ってしまったら……」 「僕達じゃどうしようもできないもんね……この学校から離れるしか……」 ウェインは自分の体を抱きしめるように、ぎゅっと腕を掴んむ。
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