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先生と入れ違いに二人が僕に駆け寄ってくる。
「話の途中で走らないでよねぇ」
「どうしたの、フェイア?」
「その話、続きは?」
僕はジュリアンに訊ねる。
「え? んと……そうそう、殺された人はキリア先生だっていうの」
「キリア先生は出張じゃないの? よくいろんな先生が長期間出張でいなくなるから、そうだと思ってたんだけど」
これはウェインだ。
「私もそう思ってたんだけどねぇ」
ジュリアンはウェインににやりと笑う。
「姉妹のシリア先生の様子がおかしいでしょ? 最近やけに怯えてるの。まるで、次に殺されるのはキリアの妹の私なんじゃないっかってね」
「姉妹? だからやけに似てると……」
「髪の色が違うから、すぐ見分けはつくけどねぇ。シリア先生は茶色でキリア先生は黒髪だから」
ジュリアンは自分の髪を指に絡めながら言った。
「もし、その噂が本当だとしたら……」
「相当大変よねぇ。生徒に先生が殺されたとか言ってしまったら……」
「僕達じゃどうしようもできないもんね……この学校から離れるしか……」
ウェインは自分の体を抱きしめるように、ぎゅっと腕を掴んむ。
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