第26章―暴走―

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次の日、僕とウェインは早く起きて食堂へと向かう。 食堂ではジュリアンが角の席に座って僕達を待っていた。 僕とウェインも椅子に座った。 「今日はどうするの?」 「そうだな……とりあえずユーノをあとで呼び出してみよう。昨日何をしていたかっていうのと、これからルシード先生が少しでも不信な動きをしたら知らせてもらうんだ」 僕がパンにかぶりつきながら言った。 二人は納得し、うなづく。 「ユニコーンの血は持ってるね? 魔力玉もいざとなったら役に立つかもしれないから持っておこう」 「でも……僕達だけで何とか出来るのかな……」 ウェインは心配そうに言った。 「だって相手は先生だよ?」 「とりあえず時間稼ぎだよ。僕達じゃ完全に捕まえるなんて無理だろう。先生に勝てるなんて思っていないさ。 だから他の先生が気がついて、駆けつけてくるまで頑張るんだ。できるなら、戦ったりせずに、証拠が手に入ればいいんだけどね」 「でも……」 「大丈夫よ。一人じゃないんだから!」 ジュリアンがウェインを励ます。 ウェインは僕とジュリアンを見ると、自分の頬を叩いた。 「そうだよね。三人なら大丈夫だよね。なんとかなるよね」 「そうだよ! 頑張ろうな、ウェイン、ジュリアン!」 「うん!」 「えぇ!」 僕達はニッコリと笑い、手を合わせた。 そしていつものように、のんびりとご飯を食べる。 きっとのんびりしていられるのは少ししかないから。 どんどん食堂に人が集まってくる。 静かだったここも賑やかになってきた。 僕達も楽しい話題で花を咲かせる。 すると扉がいきなり開いてシリア先生が飛び込んできた。
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