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「ジュリアン大丈夫?」
僕はジュリアンに向かって言った。
「大丈夫よ……フェイア、私は何をしたらいいのかしら……?」
ジュリアンは一回深呼吸してから言った。
声からも怯えていることがわかる。
僕は出来るだけ落ち着いて話した。
「ジュリアンは魔法陣を描いてほしいんだ。それも巨大なやつを。
きっと召喚するための魔法陣はもう描かれている。その一部を描き直して、送還魔法陣にして欲しいんだよ」
「送還の……魔法陣……」
「送還の魔方陣は全て共通だし、ジュリアンは魔法陣を描くのが僕より早いから、ジュリアンに頼んだ方が効率がいいんだ。出来るよね」
「勿論よ。やってやるわ」
ジュリアンは力強く答えた。
僕はジュリアンに微笑みかける。
「でもフェイアはどうするの?」
「僕は先生の気を引く。ジュリアンに気付かせないようにするんだ。もしジュリアンに気付いてしまったとしても……僕が命を賭けて守るから」
僕は笑いかける。
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