第26章―暴走―

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「僕の命が危ないのはわかってる。勝てる見込みなんてないしね。でもこれが一番無難な作戦なんだ。だからジュリアンは魔法陣に集中して。僕が守り抜いてみせるから」 「フェイアっ……」 ジュリアンは僕に抱きついた。 僕は驚き、床に倒れる。 それでもジュリアンは抱きついたままだ。 「ジュ、ジュリアン!?」 「フェイア……絶対に生きて。死なないで……友達がいなくなるのは嫌よ……」 ジュリアンは耳元で呟いた。 「当たり前だろ。これは時間稼ぎであって、死ぬための作戦じゃない。ジュリアンを守るためなら命は賭けるけどね。 剣士として、友達を守れないのは恥だから。でも、僕はこんなところで死ぬ気なんてないから」 「絶対よ、フェイア……死んじゃ嫌だからね」 ジュリアンは僕から離れた。 僕は立ち上がり、扉を開く。 「さぁ、ルシード先生を止めにいこう!」 僕はジュリアンに手を差し出す。 ジュリアンはうなづき、手をとった。 僕達は走り、先生のいる場所へと向かった。
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