352人が本棚に入れています
本棚に追加
/386ページ
「な、何故ここにいるんですか……シリア先生……!」
僕の目の前に現れたのはルシード先生ではなく、シリア先生だった。
シリア先生は微笑を浮かべながら歩み寄ってくる。
「何故って? それは悪魔を召喚するために決まっているでしょう?」
シリア先生はクスクスと笑って言う。
声はいつもより力強く、低い声だった。
「まさか君達が来るとは思わなかったわ? フェイア・ウィルヘルムとジュリアン・ラーゴ」
先生はしゃがみ、僕の顔をのぞき込んだ。
僕は先生を睨みつける。
「そんなに睨みつけなくてもいいでしょう? 怖い怖い」
先生は笑いながら立ち上がり、ジュリアンのそばへと歩いていく。
僕は止めようと手を伸ばすが、相変わらず体は動く気配を見せなかった。
「ルシードを撒いたから安心してたんだけどね。まさか君達が来るとは思わなくて。この子がつい手を出してしまったようだ」
シリア先生はジュリアンのそばにいき何かに触れた。
すると、後ろの景色がぼやけていき、黒い姿を浮かび上がらせる。
最初のコメントを投稿しよう!