第27章―待ち受けている者―

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「貴方にはわからないのよ……フェイア・ウィルヘルム」 先生は顔を上げて僕を見つめた。 それから悪魔に目を移す。 「もうおしゃべりはここまで。さぁ……潰してしまいなさい!」 先生は悪魔に命令をした。 悪魔はジュリアンを掴む手に力を込める。 だが悪魔は急に手を離し、苦しみ始めた。 ジュリアンが落ちるっ! 僕はとっさにジュリアンに向かって飛び出した。 ギリギリのところでジュリアンの体が僕の腕に収まる。 ジュリアンは微かに笑みを浮かべていた。 「一体何をしたの! 答えなさい!」 先生が悪魔に駆け寄り、叫んだ。 ジュリアンはよろよろと立ちながら答えた。 「ユニコーンの血をかけてやったの。悪魔の弱点だものね。思った以上に効いてびっくりしたわぁ」 「ユニコーンの血ですって!? どこから……」 先生は口をつぐんだ。 そしてほくそ笑む。 「魔具庫からね……あそこにはユニコーンの血があるもの。ホント、よく調べあげたのね……貴方達。授業なら感心してほめるところだけど、もう許さないわ。苦しんで死になさい」 先生は僕達に向かって手をかざす。 そして呪文を唱えた。 先生の手から黒い霧が発せられる。 黒い霧は僕達二人を囲んでいった。 「絶望と言うなの闇で苦しんで?」 先生が大声で笑う。 霧が僕達を包み込んだ。
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